6th February 2019

ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812

2019/01/05~01/27@東京芸術劇場プレイハウス


グレコメめちゃくちゃ楽しかった!!!
話の内容としては楽しいだけの演目ではないんだけど楽しい感情で満たされた演目だったなあ。

マイ楽の終演後にクロークに預けていたコートを羽織りながら、もうグレコメをやっているプレイハウスに来れないんだなあと思ったらなんだかものすごく寂しさに襲われてびっくりしてしまった。ロスとはこういうことなのか。
そもそもグレコメのチケの先行の頃は色々行きたい舞台の先行が重なりまくった上に思うように希望の日程が取れなくてまあいいか~ってなったんだけど、追加公演もあったし最終的には立ち見もあったからチケ足せて心底良かったと思う。
でもプレガの先着先行とかまあまあ余裕があったのも覚えているからあの時に無理やり足しておけば良かったなあ~~と今思い出してはギリギリしています。スケジュールの見通しが立たなかったってのもあるんだけど後悔先立たずとはまさにこれ。

原作がトルストイの戦争と平和ということでチケ取れてから公演まで5か月近くあるし余裕で読み終わるっしょ!って思ってとりあえず1巻だけ買ったんだけども、結局全く読み終わらないまま公演を迎えてしまった。なんという体たらく。ちなみに読めたのは1巻の半分まで行かないくらい。想像以上に読み辛いしロシア人の名前の法則(女性の姓が-aとか-yaで終わるとか父称とか)が理解できてないと人物関係が中々頭に入ってこないので投げてしまった。それでもグレコメに出てくる人の半分以上は登場してるから人物関係はスッと入ってきて良かったけど。
グレコメ見たらより理解できたし名前のあれこれとかも理解したし改めて最初から読んでみたらいい感じなので今年中に最後まで読めるといいなあ。志が低い。


グレコメも形式としてはイマーシブシアターに当たるらしいんだけど、イマーシブシアターってもっと客側に何を観るか選択権のあるタイプの芝居だと思っていたからちょっと意外だった。
(ついったのレポでよく見かけるのはこのタイプだよね)
でもマイ初日に客席に入った瞬間の感動と明らかに違う世界に来た、そして一瞬で世界に引き込まれる感が今まで見てきた舞台と全く違っていたからそういう意味でなるほどイマーシブ。
プレイハウス自体はそこそこ定期的に来てるんだけど、まるで知らない会場みたいだったなぁ。思わずわあ!って声が漏れて立ち止まってしまった。すっごいワクワクした。なんかきっと今後あんな風に思う事なんかないんじゃないかって気がする。
そしてどんなに説明しても実際に見ないことには伝わらないよなあと思う。だって観に行った方もサイトで客席の案内見ても全く想像付かなかったもんね。

マイ初日に観た時は別に難解な話ではないんだけども話が上手く噛み砕けなくて、でも曲すっごい好み!楽しい!照明も印象的!とりあえず立ち見安いしチケ足そう!!みたいな感じだったんだよね。
上手く噛み砕けなかったのはグレコメをもっと愛とか恋とかの話だと思い込んでいたからで。良くも悪くもピエールをあんまり主人公として見れなかったというか。
ステージ上にはいるけど、いるだけっていう場面も多いし曲によってはピエールがいることをついつい忘れてしまう事もあるからあんまり予習もしてない状態で初見だと主人公っていうポジションがしっくりこない気がした。

これはもっと予習が必要だな!と思って次に観るまでにもうちょっと戦争と平和という物語の内容を頭に入れて、グレコメがピエールの目覚めの物語だっていうことに辿り着いたら色んなものがカチっと嵌って面白かった~~。
2回目はそれを念頭に置いてみたら初日に観たよりも話がスルスルっと入っていったし、最後のThe Great Comet of 1812の時にはマイナス10度のモスクワの夜が舞台の上に手に取るように見えてめちゃくちゃ鳥肌が立った。すごかったなあ。
勿論井上芳雄さんの素晴らしい歌があってこそなんだけど!塵と灰も素晴らしかったよねえ。グリブラで見たのと全然違うじゃん!(勿論いい意味で)ってなった。

ナターシャ自業自得感すごくて全く同情出来ないなって毎回思ったんだけどアナトールが相手じゃ仕方ないよね~~!!!!とは思う。色気すごかったもん、誰でもあれはアナトールのリアコになるよ!!騙されちゃう騙されちゃう。仕方ない。
でもやっぱりNo One Elseでアンドレイへの想いを歌いあげるシーンめちゃくちゃ綺麗だしいい場面なのに、その後すぐオペラでアナトールに引っかかってコロっと行ってしまうのは台無し感あって面白いと思いますw
ナターシャの個人的に好きな所は二幕でソーニャに手紙を見られて口論になった時にアナトールとは出会って3日なのに!って言われて3日?違うわきっと100年前から~~ってところの生田さんの顔。舞い上がって何にも周りが見えてないクソ女感すごかった。めちゃくちゃ褒めてる。

アナトールと言えば個人的にアナトールの歌う曲のメロディーラインが滅茶苦茶好みだったなあ!!曲自体が結構EDM寄りなのが多くて元々曲のジャンルとしては好きな部類だし。
アナトールに限らず曲がとても良かったから物販でBW版のCDを買って今もずっと聴いてるんだけど(iTunesで買うかamazonで買うか悩んでたんだけど物販に置いてあったら観劇後のノリで買ってしまったので置いてくれてありがとうという気分だった。他のミュージカルでも海外版のCDは可能なら軽率に売ってほしい)、BW版を聴いてると一番難しいのアナトールのパートなんじゃないかなぁとか思ってしまう。ロングトーンも多いしキーの高低差結構あるよね。あと耳に残りやすい気がする。
思い出しながら口ずさんじゃう曲わたしはアナトールの歌うところばっかりだった。
そういえば劇中でアナトールの容姿を褒める言葉、ナターシャとかはハンサムって形容してたけど、エレンだけ私の兄超イケメン~みたいな歌詞で歌ってたところ毎回笑ってしまった。
でもBW版もそこだけグッドルッキングって言ってたからイケメンで大正解なんだな~~!!イケメンだったしな~!!!!!
あとBW版のアナトールの人と小西さんの声の系統すごい似てる!びっくりした!あと薫さんもマーリャの人に似てる声してる。
薫さんもめちゃくちゃ歌が上手くてびっくりした。ダンサーの人っていう認識だったから余計に!


2回目の日は席が2Fだったんだけど、グレコメは2Fから観た方が照明の効果が分かりやすくて面白かった。どうしても2F席って普通ちょっと置いてけぼり感出ちゃうじゃない。1F席と違って地続きじゃないから上から舞台見下ろす形になっちゃうし。
開演前の賑やかしにアンサブルのキャストさん来てくれるけど、二幕頭のLettersでもメインキャストさんが来るからマイクなしの距離で歌声が聴こえたり手紙を渡したり、休憩挟んでちょっと気持ちが落ち着いちゃってもすぐにグレコメの世界に引っ張り込んでくれるのすごく良かったなあ。
そういえば追加公演の日は芳雄さんとかも開演前に2Fに来てくれててびっくりした。近くの席の方に絡んでたからすぐ横で見れて楽しかった。でも芳雄さんに群がるおばさま達がピラニアのようで怖かったことだけは記しておきますw

立ち見でも観たんだけど、プレイハウスの立ち見とても快適…。すごい良かった…。立ち見安かったし行ける限り突っ込めば良かった…。
流石にサイド寄りの立ち見の人達は結構見切れてたっぽいけどわたしが取った所は上手のオケピと階段の横(というか下)の扉が見切れるくらいで特に問題なかったし。
スタンディングのライブに慣れてるから立ち見自体は全然苦じゃないし、隣の人とのスペースも十分すぎるほど空いてたし、何より必ず柵があるのが良かったw
あと立ち見はスルーだと思ってたので開演前にキャストさんからエッグシェイカー貰ったの嬉しかったな~~!!
大月さゆさんから頂いたんだけどうつろでも拝見してたから余計に嬉しかった~~。うつろと全然印象違ってびっくりしたけどw

開演前のアンサンブルのキャストさんとウラー!言うとこも楽しかったんだけど、意外とみんな黙ってて周り誰も言ってないとか多かったからちょっと寂しかった。
みんなもっと声出してこ!

さてそもそもグレコメを観に行こうと思ったのは航生くんがいたからなんですけど、ゲネの記事が上がってきて一瞬誰!?ってなりましたね!!チラシのビジュで出てくるのかと思ったら更にワイルド感が盛り盛りだった。
元があんなに爽やかなのにあんな見た目で出てくるとは思わないじゃんw
航生くんのお芝居は表情のお芝居がめちゃくちゃ好きなんですけどドロホフそんなにメインで歌うパートないから余計に表情の一つ一つが見ごたえあって良かったなあと思います。めちゃくちゃ双眼鏡で追ってしまった。最高だった。
あんな爽やかな顔してるのに悪い顔するとめちゃくちゃテンション上がってしまう。わー!!!悪い顔してる!!!最高!!!!みたいな感じで語彙力がなくなる。
出てきてすぐにゆっくりと視線を巡らせてエレン見つけた時の顔最高オブ最高でした。
あとダンスも最高だったね!酒盛りしてるあたりのダンスめちゃくちゃ好きな感じでした!!

原作ではドロホフはアナトールを金ヅルみたいに思ってるフシがあるっていう設定だけど、グレコメの劇中ではそういう感じ全然なくてまあまあ普通にアナトールの良い友達!って感じだよね。ラブレター代筆するし、駆け落ちの直前で窘めたり。
逆にアナトールがピエールにお金無心するところ3回くらいあるし、決闘のシーンでドロホフ負けたあと別に心配する風でもなくエレンに男を獣にする悪い妹だ、さておきナターシャ夜会誘ってくれない?とか言っちゃうの面白い。


ステージの奥行きがいっぱいあったから初日はどこを観ればいいんだこの作品!!!てなったし、手前と奥で距離がありすぎて双眼鏡のピントが合わななくて都度調整しながら観るっていう若干せわしない感じだったけどそれも含めて本当に楽しかったなあ。
毎回どこ観ようってなるしここでこんなことしてたんだ!ってなるし好きなシーンが見つかるとそこを観ちゃうから観れてない演技とかいっぱいまだ残ってたんだろうなあ。
今回は縁がなくてコメットシートでは観れなかったんだけどもし再演があったら次はコメットシートでも観たいなあ。
どこで観ても本当に楽しい作品だったから、ここで観るべき!ここで観たい!とかなくてどこの席でもその席でしか楽しめないものがあったと思う。
あと個人的にはそもそも音楽ライブが好きで舞台よりも長くライブに通ってるタイプなので余計にハマったのかなぁ~という気もする。エッグシェイカーふりふりするのも楽しかった~~!!!

ここ最近はBW版のCDを聴いて、amazonで買ったチョコ(求婚云々のところでピエールがお客さんに配ってたやつ)を食べつつ余韻に浸る毎日です。
あ、チョコはミルクの風味がすごく強くて甘くて美味しいチョコだった!
https://www.amazon.co.jp/dp/B07H8NB9ZV/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_eazxCb3JZ8B9X


いつの日か再演されますように!!それか日本語版CD~!